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完全なる独り善がりを 大公開しちゃおう なにそれ羞恥プレイ?
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キョン君の秘書
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旦那:鈴木達央
 嫁:キョン君
王子:マルス、兼続
 姫:L、イルカてんてー、恋次、ヴィラル
彼氏:ハボック、ジーク、サンジ、佐野君、武蔵
パパ:カルツ、太子、成歩堂君
息子:進、ユキヒト、政宗、カヲル君、慧君





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長かった・・だが大分最後走ったなぁ・・
これから誤字脱字矛盾を探して直してサイトにUPしますね~。
これがなにも変えずにただだらだら書いた文です!!
いや~ダラダラ感が否めない(苦笑

とりあえず伊兄弟ネタ
シリアス?わからん

もし気力があれば修正してUPした後、たりない部分を書き足して清書したら
本にしたいな~とか思った。
でもそうなったら3倍くらい増えそうだ、説明と夜のちょめちょめが(苦笑

スペイン広場を思い出せない
 
ある朝ロマーノはいつも通り起きると首のところに小さな違和感を感じた、少し寝違えてしまったのかとさして気にすることもなくむくりと起き上がり用意してあったシャツに袖を通した。先に起きている弟が朝食を作る音が聞こえる、顔を洗おうかと足を向けた洗面台の前で再びちくりっと首の後ろに痛みを感じた。メンドクサイな、と右腕を首に回して数回左右に頭を曲げてみたりしたが特別大きな痛みを感じる方向は見つけられず興味を失った。首から離した右手を水道の蛇口に持っていった瞬間ぴくりと身体が動かなくなった。金縛りにでもあったかのように、ただの硬直したでは表せない身体の重さを感じた。嫌な汗が首筋から背中を伝うイメージだけが脳内に張り付くような気がし、世界がモノクロに映りパラパラとまるでゆっくり動く映写機が脳内にゆっくり移る。するとその瞬間後ろからヴェネチアーノが声をかけてきてとたんに右手は水道をひねっていつもと同じ鏡が自分をうつしていた。すこしキョトンとした自分にヴェネチアーノはどうしたのかと投げかけてきたのでそっけなく流してやった。きっとこれは自分でも気にしたくなかったからなのだろう、もしここでこんな些細なことを弟に話せばやはり答えが出ないことはわかっている。ただ不安を大きくするだけにすぎない言葉のやりとりはよそうとロマーノはその朝の出来事をなかったことにしようと誰にも言うことはなかった。
その日は一日仕事を終え、家に帰ってからヴェネチアーノが笑顔で迎えてくれた。食事を用意してあると言い右頬にキスしてきた、俺が素直にそれを受け入れるとヴェネチアーノは、今度は左頬にキスし鼻をこするように擦り付けて唇にキスしてきた。帰ってきて早々うざいと手でヴェネチアーノを押し返ししゅんとした顔を見るのは嫌ではなかった、意地悪ではないつもりだがそうやって自分に構ってもらいたく懐く弟が嫌いではないからだ。忙しい仕事をこなした後とあたたかい家に帰ってきた安心で朝のことは少しも思い出すことはなかった、それよりも俺はヴェネチアーノが昼に見たという映画の内容が気になってしかたなかった。夜ベットにもぐってからヴェネチアーノはイタリアのすばらしい風景が映し出されながら進む恋愛ストーリーを嬉しそうに語っていた、はじめはやはり気になる話をただだまって聞いていたがだんだん一人で楽しそうに映画を語るヴェネチアーノに面白くなくなってきて腕を引いた、ヴぇっとあの発音を出し不思議そうに俺をみたヴェネチアーノは俺の表情を見て、ごめんねと嬉しそうな顔で言った。俺は自分が嫉妬していたことをヴェネチアーノに悟られたということが気恥ずかしくなってごまかすように軽い頭突きをかましてやった。
 
それでもあれからたびたびノイズがかかる目前に、些細なことが少し気になってボーっと考えてしまうことがあった。昼飯を二人で食べて街に出ようと話していたが、突然弟に仕事が入ったのだ。急用だったらしい。申し訳なさそうにする弟をさっさと送り出してから一人家にいるのもなんだとふらりと街へ足を向けた、ナンパをするなら少し服装に気を使い財布の中身を確認するところだろうが生憎ロマーノ自身今日はそんな気になれず着やすいだけが取りえのほどほどのシャツを羽織って財布も持たずに街へ出てきた。ゆっくりローマ市内を歩きだすと暖かい最近の気候に和やかな気分を取り戻しつつあった、ふとスペイン広場の前まで歩いてきて弟の映画の話を再び思い出した、そういえばヒロインが海岸からここまでやってきたシーンの模写をヴェネチアーノは嬉しそうに語っていたなと思った。鮮やかに咲いている花に目を向けもう少し近くで見てやろうと階段を上り始める。一段一段真っ白な階段を上っていくうちにまたあの違和感が首に走った。びくりっと身体をゆすったロマーノだったが周りの人たちはそんなロマーノを気にする前に気が付きもせず横を通っていった、今度はたしかにはっきりした痛み、だった。ふと、あの朝は今日から数えて何日前だったか思い出そうとしてロマーノは呆然とした。
思い出せないのだ。
あれ、おかしい・・あんなに気になることが、いや気にしないと決めたことだがやはり自分の中でおかしいと思った日をこんなにすぐに忘れてしまうはずはない。いったい自分はどうしてしまったのか。階段の中央に不自然に立ち止まるロマーノの横を次々と人が行きかう。そのときばかりはどうしたのかと一度見てくる人もいれば本当に気にもとめていない人もいてさまざまだったと思うがそんなこと今のロマーノには気にすることはできない。ただ呆然しているうちにそうだ、今は自分の身体は金縛りのように動かなくはない指先も動く。そう気づいたのに自分の身体なのにまるで上から見下ろしている他人のことのように感じた。
バっ!と急に視界が開いてまたもとの世界に戻ってきた冒険者のような錯覚までおきるほどに周りが明るくなる気がした。そこにはローマの美しい町並みと色鮮やかな花が咲いていて真っ白い足元の階段まで鮮明に移した。いつの間にここまで上ってきたのか自分は確かに階段の真ん中あたりにいたはずだが上り終わっていた。きょろきょろとあたりを見回してその光景がいつも通りであることに安堵し深い息を吐き出す、今度は本当に汗をかいてしまったのか首筋がほんのり濡れていた。
 
そのはっきりした違和感を体感してからロマーノはなぜか分かりきってたかのように心の中に出来た「自分がもうすぐいなくなる」ということが頭でわかってしまうのだ。どうしてわかるのか、そう思うそう感じるくらいの度合いの予感ではない。これは確信いや確実なことであった。わかってしまうのだからしょうがない。それが「いなくなる」と表現すればいいのか「動かなくなる」と表現すればいいのかわからないが、確かにロマーノには自分が今の自分じゃないなにも感じなくなってしまうということがわかってしまっていた。
だがそんなこと誰に言うことも相談することもできない、なぜしないのか理由はない。あるとすれば俺が言わないということだけだろうか。不思議とそのことを思って涙が出ることも切ないとか悲しいとか怖いとか思うことはなかった。そのことがもう既に己を徐々に蝕んでいるなにかが進行しているのかとも思ったが、そういえばあの後帰り道に足を引っ掛けて膝を地面に付いたときに痛いと感じ生理的な涙が出たことにまだ自分は自分であったかと小さな安堵をした。
 
あのときから痛みというものは訪れていない。きっとあれはこのことを伝えるサインにすぎなかったのだろう、身体能力が奪われるのはまだ先だ、まずは脳に直接ということか記憶があいまいになってきているという事実にロマーノ自身気が付いた。とても昔まだスペインの子分としてスペインの家にいったばかりのことをふと思い出して順番に日々の出来事をたどろうとするができないのである。あんなことがあった、こんなこともあった。断片的には思い出せる。だが小さなころそれも大昔の記憶なんてみんなそうやって思い出せないだろう・・くらいのレベルではないということがロマーノにはわかった。記憶の筋道がよくわからない形状になっているのである。第三者からの記憶のような違うものが流れてくるような場面もあった。たんたんと悩んでいるときにある日、あのころから習慣にしていた思い出すということの作業中、記憶のある欠片を拾い背中が凍りついた。目の前に移った記憶がなぜかオーストリアの家であったからである。行った事がないわけではない。まだ小さな兄弟をずっと離れさせておくのは可哀想だとスペインはよくオーストリアの家にロマーノを連れて行ったのだから。目の前のハンガリーが綺麗に微笑み自らに手を差し伸べ食卓へと案内する、既に席についていたオーストリアの横に腰掛並べられた食事を見回す、汚してしまうからとオーストリアが自らへナプキンで前掛けのようにしてくれた。目の前に座ったハンガリーが今日はご馳走なんですと得意げにオーストリアに語りかけている。それを横目に見ていた俺。
違う。
これは俺の記憶ではない、
ヴェネチアーノの記憶ではないか。
確かにこの記憶はヴェネチアーノの記憶である、こんなことあったことはない。あったとしてもこの光景に自分とオーストリアとハンガリーしかいないわけがないのだ、ヴェネチアーノとスペインがいれば納得いく記憶のはずだがこれは自分の記憶ではない。
そのことに気づいた日からロマーノはたびたびヴェネチアーノの記憶を見るようになった、自分と同じくらいの黒いマントの男の子とかトルコと戦ったときのことだった。自分にはたしかにそんな経験はない、ではなぜだろう。ヴェネチアーノから聞いたことを自分が勝手にイメージしたことだろうかとも思ったがこんなに日に日に鮮明になるヴェネチアーノの記憶にそんな風に思うことが出来ず、逆にスペインと過ごした日々がだんだん思い出せなくなる自分にどうしたのだろうかと思った。そうしていくうちにとうとう俺は自分の記憶とヴェネチアーノの記憶がたまにどちらが自分の記憶であったかの区別がつかなくなってきた。前なら明らかにヴェネチアーノの記憶であるとおもった記憶がこれは自分のものかヴェネチアーノのものかと少し考えてからオーストリアとケーキを作ったことなどあるわけがないじゃないかと気づくという風になってきた。そうしてその判断する時間がだんだん長くなり思い出していくうちにはじめに気づいた焦りがなくなり、ついに自分とヴェネチアーノの記憶、二本の螺旋がひとつになってしまったことにロマーノは気づかなかった。もう区別をつけることがよくわからなくなってきたロマーノは今度は思い出せる記憶の数がぐっと減ってしまったことに気づいた。日々消える記憶にロマーノは焦ることもなく淡々と日々を過ごした、どうしてこんなに自分が冷静なのかはわからなかったがだんだんと記憶と現実を今度はさ迷うようになった。
そうこうしているうちについにロマーノは昨日の記憶があいまいになっていることに気づいた。物忘れが激しいというレベルを超えたころから一番近くにいるヴェネチアーノにどうしたのかと尋ねられるようになった。尋ねられるたびに俺はぼやけた記憶が一瞬だけ鮮明になる気がして悪かったとだけ言い忘れてしまったことをはぐらかした。
 
俺はその日に再びスペイン広場に足を運んで美しいローマ市内の風景を眺めた。最近物事とはこんなに早く動くものなのかと思うほどに気持ちが回りについていってないように感じた、市内を行きかう人の波の速さ、一日の時間の流れ、そしてヴェネチアーノと会話する長さ。すべてのことがめまぐるしく早くすべてが遠い昔のことであったかのように感じる。目の前にある噴水から出る水の音を聞きながら教会の鐘の音が響いてきた、カランカランといつもなら美しく聞こえる音色がただの無機物のぶつかり合いから生まれるものだとおもうと急にむなしく感じた、春を終え初夏を迎えた自然は緑を青々と提げ風に撫ぜられていた。すると目の前が少し霞んで一瞬色をなくすような光景が見えロマーノは目をぱちぱちとさせた、再び目の前に写るのは普段となにも変わらない景色であった、新しい不安を胸に抱えロマーノは家路に着いた。
 
 
目が開かない
違う。
写してないのだ
朝目覚めいつものようにまぶたを開けたのに目の前にはなにも写らなかった、そこにはただの闇しかなかった。身体を起こしあたりを見回してみても何も見ることができない俺はついに胸が苦しくなってきた、なぜだろう。「自分が消える」とわかったときはこんなに押しつぶされそうな気持ちにはならなかったのに。弟を手探りで探し名前を呼ぶと、ヴェネチアーノが寝ぼけた声で自分を呼んだ。俺はいきなりキチガイみたいにでかい声をだして助けてくれと訴えた、弟はいきなり覚醒した頭を起こし俺の肩に手を乗せてどうしたのかともう一度、今度はあわてた様子で俺に尋ねた。
 
「見えねーんだよ、お前が・・この世の全部が!」
 
その後のことは早すぎてなんだったかおぼえてない。俺はそう一言弟に伝えただけでなんだかつぶされそうな気持ちが晴れてしまったのか落ち着いていたのだと思う。そうか、俺はこのことを伝えたかったのか、と今更になって気づいた。いざというときはやる!と認められているヴェネチアーノが行動してから俺がローマ市内の一番でかい病院に連れて行かれ、いろんなやつらが来たのだけはわかる。ヴェネチアーノは大事だと騒いでじゃがいも野郎やスペインやその他、俺や自分にかかわりのある近所のやつらに片っ端に連絡しどうしたらいいかと聞いていた、ものの数十分ほどで家にじゃがいも野郎がやってきて、ヴェネチアーノが俺の手を引いて車に乗せられて病院へ行った。俺が診察を受けるときになってスペインがやってきて俺に抱きつきおいおい泣き出したせいで診察仕時間が少し遅れた。俺は診察室に一人で入りたいと言い外に三人を残して診察室に入り、先生と話した。話したところで直るわけでも、ましてや消えなくなるとは思いもしなかったが、診察を受けて少しだけあいつらが安心するならと黙って質問に答えた。記憶の話や消える話なんてしなかった、ただ前の日に一瞬視界がゆがんで次の日はこうなったということだけ話すと先生は困り果てていた。だがそこは医者なのだろう、眼球を見た後脳の検査をし以上が見られなかった以上問題は心なのだろうと結論付けられ、俺はそういうところの医者のところに回された。総合病院でよかった、院内をぐるぐる回ったが外に出ないだけ楽だった。
 
結局なにもわからない、というか俺があまり話さなかったのでその日は入院ということになり俺には一人部屋が与えられ久々の一人のベットに身体を預けた。ヴェネチアーノと話があるのだと伝えると集まってきていたやつらは素直に俺の言葉に従い帰っていった。静かになった部屋でヴェネチアーノは、話はなにかと尋ねるより先に空元気でぺらぺらと一人で話し出した、そしてごそごそとなにかを用意したのだろう、たぶん花瓶に花を飾ったのだ、そんなもの置いても俺には色も形もわからないと素直に言うと弟はそれを皮肉と受けとったのか小さく謝ってきた。しゅんとしてしまったであろう弟の雰囲気がどうしても苦手で俺は窓があるだろう方を見てここからはなにが見えるのかと尋ねた、するとヴェネチアーノは少し元気になったようでうれしそうに話し出した。ここは10階であるらしいのでローマの市外までもをよく見渡せるようで視界の真ん中にスペイン広場があるそうだ、真っ白な教会が夕日に照らされて美しいとうれしそうに話していた。俺はその話を聞いて、ものが見えなくなってからはじめてはっきり記憶にあるものをまぶたの裏に映した。以前夕日に照らされた広場の噴水が綺麗に光って横で一羽の鳥が羽ばたいて続いてたくさんの鳥たちが羽ばたくのを横目に優しい風を全身に受けたなと思い出した、そのときは花がまだ赤く咲き乱れ春の香りがしていたのだ。
 
俺はヴェネチアーノになにもかもを包み隠さず話した、自分が消えてしまうという確信だけを言葉にせずに。するとヴェネチアーノはゆっくりとうなずき聞いてくれて、途中からベットにあがって背中を抱いてくれた。自分が原因ではないが兄の苦しみが自分の記憶からなったものだと分かり、最後はやはり泣き出してしまったのをとめようとして必死だった。
その夜俺は長い夢を見た、はっきりした自分の記憶である、イタリアを統一してヴェネチアーノと一緒に暮らすようになってからの記憶なので確かであった。二人で住むには少々大きいと思ったが市内へさほど遠くもないが周りの住宅からは少し離れ大きな庭がある最新式のキッチンが付いた真新しい家を俺たちはすぐに気に入った。誰が立ててなぜほぼ使わない状態で手放したのかはわからなかったがとりあえずそこに住むと決めた。俺はスペインの家が、ヴェネチアーノはオーストリアの家が大きかったこともありその広さにはすぐに慣れてしまった。ひとりに3部屋ほどあたってしまうほど部屋数があったがヴェネチアーノはわざわざ俺のベットにもぐりこんで一緒に寝ようと言った、俺は嫌だと言ったが内心ではそうやって甘えてくる弟が嫌ではなかったのだ、ハグとキスとそしてその後もせがまれて俺は結局ヴェネチアーノに最後まで許した。互いの距離を感じたときに俺は、俺たちは統一したのだなと統一記念日から少し経ったその夜に初めて実感が湧いてきた、その夜は暑くて熱くて融けてしまいそうな気がした、俺たちがこのまま溶けてどろどろになった後、また寒い夜がやってきて再びかたまることができればひとつの「イタリア」になるかもしれないと思ったところで俺は夢の中で目を閉じた。
再び元の世界に戻されたとき俺はやはりなにもかもを見ることはできなかったが、隣で静かに寝息を立てる弟の温かさに「イタリア」が二人であることに安堵した。すっと頭をなでてやろうと右腕を伸ばしたときにそれは俺の背筋を再び凍りつかせた。
右腕が、ない。
たしかに自分はヴェネチアーノの存在に触れようと、右腕に脳から信号を出した、がその信号は自らの腕には伝わらずどこに行けばよいかわからない伝達を身体の中にめぐらせやっと脳に帰ってくる。そこではじめて自らの腕がないと気づいた。呆然としていた俺にヴェネチアーノが目覚めたのか顔をあげる、俺に朝の挨拶を半分したところでヴェネチアーノは俺を二度呼んで強く抱きしめられた。
 
 
兄ちゃん、ロマーノの変化はあれ以来めまぐるしいスピードで進んでしまった。兄は日に日に眠っている時間とぼーっとしている時間が増えてきた。ある日兄ちゃんは昼食を食べ終えてからすぐに眠りだしてしまい少し気分転換をしようと俺が外に出てほんの数十分いない間に目を覚ましたのか俺が病室に戻ったときには看護師さんが数人で兄ちゃんを押さえつけようとしていた。兄ちゃんは目が覚めた瞬間にここが自宅ではなく、前が見えなく、そして右腕の感覚がないことに相当のパニックを起こしていた。兄は自分の状態をも忘れてしまうほどになってきた、それがはじめて以来自分がなぜこんな状況になっているのかを忘れる感覚が1週間になり3日になり・・2日に一回のペースで自分を見失うほどのパニックを起こしていた。俺はそのたびに兄が一旦落ち着くまで何回も抱きしめて兄を落ち着かせた、俺が兄の胸に飛び込んだ瞬間にヴェネチアーノと呼び返してくれないことがなかったことだけが俺の救いだった。そして、俺は何度でも兄に今置かれている兄の症状について説明した。ひどいときは1日3回同じ説明を繰り返した、兄は思い出すことが多かったはじめのころよりだんだん俺が説明してもなにもうつしていないだろう瞳を不安でいっぱいにし助けてくれと訴え、意味が分からないと怒り、すまないとあやまった。
ついに兄は食事もとることができなくなり、寝て起きてはパニックを起こし落ち着かせて説明しているうちに再び眠りにつくを繰り返すようになってきた。そして俺は兄をこのまま病院においておくのをやめようと考え二人で退院すると決めたころには一日の大半を眠って過ごすようになっていた。ドイツにお願いして兄ちゃんの気に入っていた愛車であるアルファロメオをまわしてもらい眠る兄に寄り添い家へ向かった。こうやって兄とドライブするのは久々だと俺は静かに眠る兄の肩をそっと抱いた、家についてドイツが部屋まで兄を運ぼうかと聞かれたが俺は自分でつれていくと言い断った、そっと兄を抱きかかえようと横抱きになるように腕を通そうとして俺は信じたくない感覚に気づいて兄の身体を包む毛布を一気に剥ぎ取った。
右足がない
兄の足はまるで最初から存在していなかったほどに綺麗に跡形もなく消えていた。履いていた細身のオシャレなパンツに通っていたはずなのにそれは力なく床にしな垂れていた。
それから兄をベットに寝かせて俺は今まで我慢していたものを一気にぬぐおうと泣き続けた、眠る兄の横で我慢をしらない子供のように精一杯泣いた、途中兄が目を覚まして俺の方へ頭をむけてうつろな目で俺を見つめ続けた、いつものようにパニックを起こすでもなくただ俺の方をじっと映さない瞳で見続けた、そしてヴェネチアーノと一言呟いて再び眠ってしまった。
その後から兄は一度も暴れてはいない、ただほんのたまに目を覚ましては俺の名前だけを呟いて他のことには一切反応しなくなっていた。俺の話すこともすべて兄の脳には届いていないのか、ただ目覚めてはその瞳になにも映さずただだまって俺を見つめた。
 
ずいぶん前から上司やドイツに頼んで南イタリアと北イタリア、そして支配をうけていたスペイン他近隣の他国になにか問題や病気、経済関係で大きな変化はないかと調べたがまったくめぼしいものを見つけることは出来なかった。国である自分たちが、国が滅びる以外で消えてしまうことがあるのかと調べてもまったく手がかりはなくやはりこの変化はロマーノという個のなかで起きている問題なのだと俺は思った。
兄のところにずっとついていたかったが、休めない仕事もありすこし家を留守にすることもあったが半日以上俺は家をあけることもなくなった、兄が心配でたまらない。おきあがってどこかへ行くなんてことは一度もなかったがとりあえず他人に兄を任せることをしたくなくて大抵のことは自分でやった。
 
 
兄が目覚めなくなった。
温かいし、呼吸も脈もただ寝ている人とさほどかわらないほど落ち着いていて、ただ目覚めないということだけになった。お医者さんを呼んだがやはりなにもわからず俺は小さなイライラをぶつけて追い返してしまうようにしてしまった。ドイツが家にきてくれて不器用に俺を慰めたが今の俺にはなんの慰めにもならず、いつものようにできない俺にすごく申し訳ないことをしてしまったと思う、それから幾日起たないうちに家にオーストリアさんとフランス兄ちゃん、そして昨日兄の様子を見に来たスペイン兄ちゃんがやってきた。俺は三人を家に迎え入れてお茶を出そうとしたがオーストリアさんに止められ座るように則された。
ゆっくり話された話はとても昔のことで、覚えているのに思い出したくないと思っていた俺のなかにねむる記憶を一つずつ掘り起こしていった。きっとオーストリアさんたちも俺の傷をえぐるようなことはしたくないと思っているのかもしれないが、兄のためになにか出来ないかと考えた末の行動だったのだと思う。それは新聖ローマとプロイセンの話だった。国が滅びる滅びない、国が消える消えない、という話にはやはりとても重要な話だったのだと思う、それでもなんの解決策も見出せないまま時間はすぎてしまった。俺はそれから兄の記憶の話をした、兄が自分の記憶をあたかも自らが経験したかのように感じるということを。
それを聞いたオーストリアさんもフランス兄ちゃんも驚いたようにして呆然としていた、動けないままでいる二人とは違いスペイン兄ちゃんはびくりと身体を震わせて俺の方へ近づいてきて俺を揺さぶろうとしてきたので驚いた、スペイン兄ちゃんは見開いた目で大きく口を開けて絶望したように顔をこわばらせた、俺がなにも言えないでいるとスペイン兄ちゃんは俺がずっと心の中で悩み、今二人が思っていても口に出せなかった、うすうす感じていたことを簡単に叫びとして吐き出した。
ロマーノがイタちゃんに吸収される。
やめておけ、とフランス兄ちゃんがスペイン兄ちゃんの肩を冗談ではない強さで俺から引き離した、それでもスペイン兄ちゃんは混乱して頭を抱えてしゃべり続けた、その言葉は俺が思っても他人が思っても口にできない確信のような認めたくない事実だったのかもしれない、がスペイン兄ちゃんは一度吐き出したそれを止めることができないままどんどん感情をむき出した、フランス兄ちゃんはこれ以上それを俺に聞かせてはいけないとスペイン兄ちゃんを引きずるように外へ連れ出した。静まり返った部屋の中で俺はうつむいて涙をこらえた、オーストリアさんが俺を慰めようと言葉を探していたが見つかるはずもなく、ただ近づいて頭をぽんぽんと撫でてくれた。
 
スペイン兄ちゃんが兄ちゃんのそばにいたいと言い出したがフランス兄ちゃんとオーストリアさんが引きずるように帰って行った、俺はスペイン兄ちゃんが本気で悲しんで悔しそうにしている顔を始めて見た気がする。もしかしたら、俺より長く兄ちゃんといっしょにいた人だ、兄ちゃんのなにかを感じ取ったのかもしれない、一度顔が見たいといったスペイン兄ちゃんの兄ちゃんに向けた別れの言葉は誰が聞いても最後の別れの台詞であった。
 
その夜、俺は眠ないで兄の横に座り兄の静かな呼吸をきいていた。
兄が元気でなくなってからたくさんたくさん泣いたから、もう泣けないかと思ったがちゃんと涙は頬を伝って流れた、ふと日付が変わったことをしらせる時計の音が隣の部屋から流れてくるのが聞こえ、兄が口元をぴくりと動かしたのに気づいた、俺は数度兄を呼んだがもう反応することはなく持ち上げた腰を今度はベットに下ろした。すべらかな頬に手をあてちゅっとキスを施した、何度も何度も場所を変え啄ばむようにキスをする。元気だった兄に何度もキスをしているとしつこいと腕で跳ね除けられたものだ。今は俺がどんなにキスをしても嫌がる兄はいない。ただそうであったとしても全然喜べないのが現実である。それから俺は指で兄の唇をなぞりそのあたたかさに目を細め口付けた、兄の呼吸がくるしくなってはいけないと短い間隔ではなしてはまた触れはなしては触れを繰り返した、舌で兄の口をこじ開けて口内を優しく嬲ろうとしてかわらない感覚に俺は胸がいっぱいになった。俺は我慢できずに兄の上に乗り上げて着せていたシャツをめくり上げ、わき腹から腹にかけてを撫ぜてから胸に吸い付きすぐにズボンのなかに手を入れた、それでも兄はなにも反応することなくただだまって俺のする行為を受け入れていた。悲しくて悲しくて苦しい俺の胸になにかが突き刺さればいいとさえ思った。どんなに愛撫してもどうにもならず白い肌に赤いあざができるだけで俺は喉元を食い破ってしまう衝動にかられ、荒い呼吸を整えようともせずただ本能のままに服を脱いで自慰をはじめた。何度も兄の名を呼んで兄の着ていたものを全部脱がせる、右腕なんて右足なんてなくたって兄の身体は本当に綺麗だった、月明かりしかないほんのり浮かびあがったそれに俺はひどく欲情していたのだと思う、こんなことをしても意味なんてないんだとわかりながらも動く手が止められない、兄の上にまたがって兄の性器が自分のそれに触れるか触れないかぐらいのところで自分を慰める自分は本当に惨めだと思った、自分が思ってたよりずっと自分を慰めていなかったのだと気づき数回手を動かしてあっけなく達してしまった自分の頭がすぐに冷静さを取り戻しはじめた。ふと兄の腹に自らが吐き出した証が付着しているのが視界に入り俺はすごい勢いでそれを手で乱暴にふき取った、ごしごしと兄の腹を手で拭うとそれは綺麗になくなったが少しそこが赤くなってしまった。綺麗な兄を自分が汚してしまうと俺は猛烈に苦しくなった、手の中にどろりと浮かぶ欲望は今の俺を絶望させるのに十分だった。すべてを出し切らないでしばらく触りもしなかったそこは未だに萎えきっとはいなかったが俺は兄を抱きしめて泣き出すほうを優先した。まだこんなに溢れる涙に枯れてしまえと己に怒鳴りつけたかった。
 
そのとき目の前がふと一瞬明るくなった。驚いて顔をあげる
 
月明かりで照らされた室内はなにも変わっておらず、目の前には静かに眠る兄がいた。頭を抱えるように数度呼吸すると首のあたりに小さな違和感を感じそこに手を持っていった瞬間にはげしいものが身体の中を突き抜けた、そして一瞬少し若いスペインの笑顔が見えたのだった。俺は驚いてしまい一瞬息をとめると、今度はまたしても若かりしころのスペインが今度は自分に怒っているような表情が見えた。鼓動が早い、呼吸が乱れる。俺はベットに手を突いて落ち着きを取り戻そうと頭を振った、首の違和感がとれたあとに俺はもう一度大きく深呼吸して目をつぶった。
するとそこには昔のスペインの家が見えた、奥の畑でなにやらスペインとフランスが話し込んでいる、それを見た瞬間俺は二人の方へ駆け寄りスペインの足元にしがみついてフランス兄ちゃんに向けてあっちにいけと舌を出して憎まれ口をたたいた。
違う。
これは・・・俺の記憶では・・・。
ばっと目を開けた俺の目の前はやはり変わらない室内と兄だった。驚きをかくせない俺は前に兄がこんなことを言っていたことをはっきり思い出した、そして今度は目をつぶっていないのに目の前の光景が変わっていって、今度は俺が見えた。
そこにはパスタをゆでようとしている俺がいる、俺の表情はずいぶん笑顔で心から嬉しいのだとすぐにわかった。すると俺は俺自身から手にしているパスタを奪い取ってお前のアルデンテは適当すぎるから貸せと奪い取った。その瞬間視界が反転して目の前に俺からパスタを奪い取って見てろという兄の眉間に皺をよせる機嫌がいい顔があった。
兄の記憶だ。
俺はそれをずっと確信していても頭でその文字をなぞるのに時間がかかっていた、そして兄は手にするパスタをお湯がたっぷりはられたなべに入れ、俺にこう言った。
 
 
 
「午後はスペイン広場に行こう、今時期ならお前の見た映画に出てくる花が咲いてるかもな」
 
 
 
その言葉をきいた瞬間、目の前に兄の顔がうつった
これは現実の世界か、夢ではないのか。俺はそれを確かめようと兄に触れようとして目を見開いた。
兄が薄れている。
そのことに気づいた瞬間俺は脱ぎ捨ててあったズボンを履き、兄にシャツを羽織らせタオルケットで包むと横抱きに抱えるように持ち上げ玄関を飛び出した。
そうだ、あのときたしかに兄はスペイン広場に行こうと言った。俺の映画のことは覚えていた兄、たしかもうあのころから兄の記憶はあいまいであったのだろう、だが俺の話した映画のことだけは覚えていた。病院にいってから見える光景を尋ねたられたときもローマ市内を行きかう人々の話ではなく、夕日に照らされた教会の風景のことを嬉しそうに聞いていた。そう思った瞬間俺は本能的に家を飛び出していた、行かなくてはと思ったのだ。そして全力で走っている途中でふと俺はどうしてあのあと二人で広場に行かなかったのかと思い出した、どうしてだっただろうか思い出せない。それでも俺は走ることをやめることはせずに全力でローマの市内を駆けた。乱れる呼吸も手の中の兄のあたたかさもはっきり頭でわかる。
 
ようやく着いたスペイン広場は月明かりに照らされながらも美しく聳えていた、人はだれも居らず夏を迎えたそこは青々とした緑が生い茂っていた。俺は乱れた呼吸を正す事もせず一段一段階段を上り始めた、手の中の兄の顔を確認することが怖くて静かな鼓動と温かさ、そして重みで兄の存在を確認した。そこで俺は再び兄の記憶が頭に入り込んできた、そのたびに足を止めていて意識をはっきりさせようと頭を意識を鋭くした。
けれどもある一段を踏んだとき、急に俺の全身から緊張の糸が切れてへたりとそこへ座り込んでしまった、ずるずるとすり抜ける兄の身体がようやく目の前に現れた。
綺麗なきれいな兄の顔はもうほぼ見えなくなってしまっていた。あまりに急いでいたので分からなかったが左腕はもうなくなっていた。ぜいぜいとする呼吸のまま兄を全力で抱きしめて透けていく全身を信じたくなくて俺はその場に這い蹲るようにして許しを乞うた。ただどうしようもない現実に俺は必死で願う、このことがすべて夢あってはくれないか、今目を閉じて再び目をあけるとそこにはいつものように隣で安らかに眠る兄がいてほしい。兄を抱きしめながらどんどん手の中の感覚が消えていくことに俺はどうすることも出来ずどうすることもせずただただ見守りながら願った。
夏にしては寒い夜だった、風がひとつ吹いて教会の鐘が小さくひとつ鳴り響く。
その瞬間に兄は消えた。
俺が目で確認しようと手の中から感じられなくなったぬくもりを見る前に俺は視界が真っ暗になった。
 
 
目を覚ますと俺は部屋のベットの中にいた、ゆっくり身体を起こすとそこには見慣れた光景が広がっていた。ふと隣で眠るドイツを揺さぶって俺は頭では考えていなかった言葉を吐き出すのだ、兄ちゃん・・ロマーノはどこ?おきかけのドイツはキョトンと俺を見て不思議そうな顔をしてこう言うのだ、兄ちゃん?お前が兄と呼ぶのはスペインとフランスだけではなかったか?
俺はふとドイツの言葉がわからなくなった、その場にあった電話で俺はスペイン兄ちゃんに電話をする。兄ちゃんは?ロマーノは?するとスペインはイタちゃんどうしたん?ロマーノ?誰やそれ?俺は今自分が言ってることが、していることがだんだん分からなくなってきて、それでも手を動かすことをやめられなくてフランス兄ちゃんとオーストリアさんとハンガリーさんにと次々電話をかけてついに部屋を飛び出し、台所で料理をしていた日本とイギリスに飛びつくように聞く、ねぇ兄ちゃんは?ロマーノは?誰だそれ・・と声を漏らすイギリスと俺を心配しながら昨日は飲み会をしたあと泊めていただてありがとうございます、今朝食を作っています。と見当はずれなことを言う日本に俺はやつ当たるように癇癪を起こした、すると俺を追ってきたドイツが俺を後ろから押さえつけてどうしたイタリア、落ち着けと言うのだ。
 
俺はその後、落ち着きを取り戻せといすに座らされ食卓に次々並ぶ日本のご飯を眺めた、横に座ったドイツが俺にロマーノとは誰かと尋ねた。
そして俺は、あんなに暴れて行動した自分がよくわからなくなった。そしてロマーノとは誰だったかと、でも大切な人だったのだと思い出すだけで精一杯だった。
一人にしてくれと頼んだあと、俺は部屋で記憶を探った・・そして小さいころの記憶がよみがえりあのころはオーストリアさんの家とスペイン兄ちゃんの家をいったり来たりしていたと思い出す、そこではてと違和感を覚え俺は頭をひねった。
その日一日考えてもなにも思い出せず、みんなを送り返した。俺を心配するドイツにあいまいな返事をして俺は違和感を取り除こうと必死に頭をひねった。それでもどうしても思い出せない俺は夜になってもうやめてしまおうかと服を脱いでベットの中にもぐった。そして目をつぶろうとした瞬間に首のところの違和感に気づいて手を当てる。
びくっとした違和感と共に一瞬映し出された映像
 
俺にそっくりで、でも眉間に皺を寄せて微笑む笑顔は全然違う。
そして彼は手を組んで俺に言うのだ。
 
「馬鹿弟」
 
 
 
 
「兄・・・ちゃん・・・兄ちゃん・・・」
俺はロマーノを見つけた
世界でただ一人の俺の兄
世界中のみんなが兄を忘れても俺は忘れないと誓った兄
 
俺は忘れかけていたのか
 
その夜から俺はひたすら部屋にこもって絵を描いた、もうずいぶん描いていなかった絵を筆をとってキャンパスに描いた。
1ヶ月ほどかかったそれを俺は満足げに見つめた、部屋にこもりきりだった俺をたびた心配して見に来ていたドイツにそれを見せてこれは誰だ?お前か?と言われ俺ははっきり言った。
 
「彼はロマーノ、俺の兄ちゃんで南イタリアだよ」
 
スペイン広場でローマの市内を優しそうな目で見つめる彼
 
ドイツはなにかい言いたげに俺をみつめるがそうか、と一言言って部屋を出て行った。
そこにうつる羽ばたく鳥や真っ赤に咲く花は広場の春を描いていた、
今は冬でまったくその風景を見ることは出来ないがまた春になれば見られる。
「俺忘れないから、春になったら一緒に行こうね、兄ちゃん」
 
キャンパスのなかで不機嫌そうな笑顔を映す彼はきっと、この風景をわすれない。
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